さくらももこさんの訃報から夢中でエッセイを読んだ頃を思い出した話

エンタメ
引用元:さくらプロダクション
スポンサーリンク

8月も最後に差し掛かるころに飛び込んできたニュース。さくらももこさんの訃報です。

私はちょうどこの夏にAmazonプライムで『ちびまる子ちゃん』第1シリーズを観直しており、ニュースになったその日も観ていました。「うそでしょ?」と思った。

それから9月に入ってもう15日が過ぎましたが、毎日のように『ちびまる子ちゃん』を観ています。

8月の訃報から、そしてアニメを観返していて思い返されたのが、子どものころさくらももこ作品に随分笑わせてもらったな、ということ。

漫画も好きでしたが、私は特にエッセイが好きでした。自分が思いがけず文章を書く職業についてしまったことも、今思えば原点のひとつはさくらももこ作品だったかも。

今ライターとしていろんな執筆に携わるなかで思うことと一緒に、さくらももこさんのエッセイを振り返ります。

スポンサーリンク

『もものかんづめ』の「メルヘン翁」、こんなに笑える??という驚き

さくらももこのエッセイでおそらく一番有名な『もものかんづめ』。

この本に収録されているエピソードの中で印象的なのが「メルヘン翁」の話です。

『ちびまる子ちゃん』では優しいおじいちゃんの友蔵は、実際には家族にとって嫌な存在だった、というのはすでに別のエッセイで知っていましたが、このエピソードではその祖父の死を面白おかしく書き立てているんです。

それこそ、ブラックユーモア満載に。

「メルヘン翁」というのは、祖父が口が開いたまま亡くなって閉じなくなり、仕方なく手拭いでほっかむりをするようにギュッと締めたらメルヘンな雰囲気になってしまった、という例え。

口が開いたままの祖父に対して「ムンクの叫び」呼ばわりしたり、葬儀に現れた「泣き女」様子を笑いものにしたりと、とにかく痛烈……こんなことで笑っていいのかと思うのに腹がよじれるほど笑う自分……。

 文章を書く上でのひとつの指標に

「メルヘン翁」は数多くのエッセイのエピソードの中で一番色濃く記憶に残っている話です。「エッセイってこんなにおもしろいの?」という驚きと、文章ひとつでお腹が痛くなるほど笑わせるさくらももこの才能への驚き。

私はジャンルとしてエッセイ漫画は好き(たかぎなおこさんの書籍など)ですが、文章ではあまり読んだことがありません。夢中で読み漁ったのはさくらももこ作品くらいのものです。

ライターをしていてエッセイを書く機会はありませんが、なんとなく「無駄なく自然な筆致でピリッとスマートに刺すように笑わせるには……」と意識の片隅にさくらももこがいるんです。

初めて彼女のエッセイを読んでから、たぶんずっと憧れてたんだなあと。

スポンサーリンク

好きなのは子ども時代の話

エッセイだけでもかなり多いですが、中でも好きなのは子ども時代のエピソードが揃っている本です。

『ちびまる子ちゃん』を読むだけではわからない実際の「まる子」の姿が見えるようで、夢中で読みました。

コーラの瓶のマークでおいしいかおいしくないかがわかるとか、下痢の波に襲われる話とか、日常のなんてことないエピソードがどうしてか印象に残ってるんですよね。

『ちびまる子ちゃん』もそうですが、テーマ自体が「日常」でこれといった動きがない。淡々と昭和の静岡の一家庭の様子が描かれる。

当時小学生だった読者の私は、普段児童小説くらいしか読んでいなかったと思います。『ハリーポッター』とか『赤毛のアン』シリーズとか。

子どもの好奇心を刺激するのってだいたいこういった壮大なファンタジーとか、詩的な描写とかではないでしょうか?

さくらももこ作品にはそのどちらもないんですよね。ユーモアだけで引き込んで読ませる。今思うと本当にすごい。

スポンサーリンク

「スマートに笑わせる文章」をめざして

なかなかブログで「笑わせる」っていうのも変ですが、これがひとつの目標です。「笑わせる」というのは単に私がそれでさくらももこ作品に夢中になったから、というだけで、要するに惹きつける文章であればなんでもいいです。

ただそれって難しいことですよね。

学生時代に書いていた論文とか、企業のHP・学校案内のような普段仕事で扱うお堅いジャンルはわりとスムーズに書けるんですよ。

ブログみたいに自由な文章って実は一番難しいように思います。

さくらももこさんが高校生のころに小論文を添削してもらって「現代の清少納言」と言われたというエピソードはちょっと有名ですが、これ例えた人すごいですよね。

確かにさくらももこって「をかし」の作風の人です。

ちょっと階級(庶民であること)にコンプレックスがあるところなんかも、『枕草子』に描かれる清少納言の一面を思わせます。

さくらももこと同じく清少納言も言葉選びが巧みな人。

ということは最終的にめざすのは清少納言?

そう思うと一生かけても難しそうですが、ライターを続けていく限り「引き込む文章づくり」は取り組み続けなければならない大きなテーマです。

最初にさくらももこさんのエッセイを読んだときの衝撃を忘れずにいようと思います。

コメント