「紅茶王子」の続編があるということを、恥ずかしながら最近知りました。
というのも、つい最近山田南平さんの今連載中の「恋するMOON DOG」を読んで、過去作を読み返したくなったのです。
それで紅茶王子でも読むかーと思ったら続編があることを知ったという。
ちなみに、「紅茶王子」シリーズは全てマンガparkアプリで無料で読むことができます。
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マンガparkって完結作品たくさんあって散々お世話になっているんですが、なぜ気づかなかったんでしょう……。
アールグレイは何を叶えて帰ったのか?
紅茶王子を読んでいて、最後まで描かれずに消化不良だったのがアールグレイです。他の紅茶王子は主人との別れのエピソードがきっちり描かれていましたが、アールグレイだけ帰らないまま終わったんですよね。
だから、終わった時少々納得がいかなかったのです。
ただ、アールグレイは主人と一線を引いて余り深いところではつながらないようにしているキャラクターだったので、それもしょうがないかと思う部分もあったんですけどね。
流産しかけた奈子を救うため
「紅茶王子の姫君」と「桜の花の紅茶王子」では奈子とアッサムの間に杏梨という娘が生まれています。
アールグレイは奈子結婚後もまだいたのですが、妊娠中に流産しかけたことがあり、奈子と胎児の命を救うために願いを叶えて帰ったのでした。
とはいえ、それが3つめの願いだったとしてもほかの2つは?あまり記憶が定かではないのですが、奈子って作中3つの願いをひとつも使っていなかったような?まあなんやかんやで使ったんですかね?
アールグレイは帰った後、奈子が無事に子どもを産んだかどうか知る術がありませんでしたが、続編で奈子の周辺人物の元へ行っていた紅茶王子(ジョルジ)から彼女が無事出産して、もう娘は小学校に上がる年だと知らされます。
アッサムの記憶
やっぱり一番気になるのはこれですよね。
アッサムが人間になったことで彼と関わった者はみんな彼のことを忘れてしまいました。本編では人間になったアッサムが現れ、奈子と再会するところで終わりましたが、この時点では奈子もアッサムのことを思い出してはいません。
そこでキーマンになったのが娘の杏梨です。紅茶王子のクオーターだけあって(?)すごい能力を持っている杏梨。アッサムが人間になった時点ではまだ生まれていなかった杏梨は、アッサムの記憶を持って生まれてきます。
本編では、皆が自分のことを忘れると聞かされたうえで、アッサムは「母も忘れるか」とだけ尋ねました。母のアリヤは亡くなっているので彼女は忘れようがないのだ、と言われると「それなら大丈夫」だと言って人間になることを決意したのでした。
死んだ人が忘れないなら、まだ生まれていない人も忘れない。なんかトンチみたいですけども……杏梨はそういうわけでアッサムのことを知っているのです。
杏梨には祖母のアリヤのことも見えていて、祖母の助けを借りながら母・奈子にアッサムのことを思い出させることに成功します。
その他の面々にも
続編の主人公は奈子ではありません。それぞれが呼び出した紅茶王子とのつながりでまた奈子たちともつながり、奈子たちのその後も描かれています。
続編の主要キャラクターとして登場する紅茶王子は本編には登場しなかった紅茶がほとんどです。サクラ、ジョルジ、ルフナ。
その中でルフナだけはなぜかアッサムのことを覚えていたりして、ちょっと救いがあります。
続編のヒロインの紅茶王子であるサクラはもともとアッサム、紅牡丹とよくつるんでいたらしく、そこのつながりも新しく描かれています。ご都合で呼び出された紅牡丹 、そめ子と再会できてよかったねえ~
サクラも紅牡丹もアッサムのことを思い出しはしませんが、なにか引っかかる描写はあります。思わず「アッサム」と呼んでしまったり、敬語で話せなかったり。結局続編の最後では紅茶王子が見えないふりをしていたことがバレ、自ら元紅茶王子だと打ち明けてしまいます。だからといってみんながアッサムのことを完全に思い出すわけではないけど、ファン納得の終わり方だったんじゃないでしょうか。
奈子の弟の健太はずっとアッサムを呼び出すことにこだわっていました。欠番だと知っていても頑なにアッサムを飲んで挑んでいたのですが、本人から打ち明けられてようやく得心がいきます。呼び出さなくてもすぐそこにいたのだと知ったあと、アールグレイを呼び出すことに成功。
続編ではあまり登場することのなかったアールグレイでしたが、どうやら大学時代に突如現れた アシャー(アッサム)が人間になった紅茶王子なんじゃないかと薄々感じていたようです。アールグレイは人間になる方法があることを知っていましたし、奈子たちとあれだけ長くいたので気づいたんでしょうね。
完全に思い出すわけじゃないけれど、そういう人がいたんだと「知っている」こと、これが続編できちんと描かれたことだけでうれしいですね~~。
アッサムが選ばなかった道
続編の「桜の花の紅茶王子」は、アッサムと同じように人間に深入りして主人に恋してしまう紅茶王子の話ですが、アッサムと同じ道は選びません。人間になる道もあると知った上で、相手の記憶を残して紅茶王子として一緒に過ごすことを選びます。
サクラ吉乃と結婚することなく、彼女が死ぬ瞬間まで一緒に過ごすことを選びました。
流れる時間が違って、吉乃がいなくなった長い時間を一人で過ごすことになるのは同じですが、 アッサムが選ばなかった道もそれはそれでハッピーエンドで良かったです。
一気読みして紅茶が飲みたくなったので、楽天でアッサム100g買いました。
ちなみに、紅茶王子シリーズはマンガparkで全話無料で読むことができます(後日譚の書き下ろしはコミックス収録のみなので、最終巻は単行本買った方がいいかもしれません)が、「恋するMOON DOG」はコインを買わないと読めません。今連載中なのでしょうがないですけどね。これはどこかの電子書籍サービスで単行本を買った方がいいです。電子版には書き下ろしのおまけがあるので、単話で買うよりもお得です(私は待ちきれず単話でも買っていますが……)。
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