ゴールデンカムイ最新話269話を読みました。
ウイルクの皮剥ぎ作戦どうなの、と思っていましたが、なるほどそういう。
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前回の感想はこちら↓
全員の皮とりかえっこ
ゴールデンカムイ 24 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
ウイルクが自分の頭部の皮を剥いで別の生首にかぶせたという前回の終わり方、それってすぐばれるんじゃないの、と思いましたが、ウイルクひとりでなく死んだアイヌ全員の頭部の皮を剥いで、同じようにバラバラにかぶせていたようです。7人ではなく、金塊について知る老人(キムシプ)も死体となっていて、数をごまかせる。なるほど、これなら攪乱になりますね。
でも、ウイルクの容貌を知る鶴見中尉にとっては、目までくりぬいてるあたり、犯人はウイルクだと教えているようなものですよね。対鶴見中尉以外にも、自分が去った後のアシリパさんら家族のことを考えて死を装ったのでしょうが、鶴見中尉の存在はやっかいです。
ウイルクの皮がかぶせられた生首にキスする鶴見中尉、さながらサロメとヨカナーン。
亡くなったアイヌの亡骸を見て、菊田さんはただ有古力松に何と言ったらいいか、と考えるのが、さすが……。仲間割れを狙って、その結果殺し合いになってしまったわけで、鶴見陣営にも罪はある。それが申し訳ないんですね。
さて、一旦回想が途切れ、宣伝車を捨てずに走り続ける杉元&白石は有古イポプテを発見します。次のコマには菊田さん。杉元と菊田さんの関係もあれ以来触れられていないので、そろそろなんか情報が欲しいところですね。
こうして囚人になった
生きたま自分の皮を剥ぐという、ちょっと想像しがたいことをやってのけたウイルク。これも生き残りのための行動だったのでしょうが、追っ手が鶴見中尉だったのが悪かった。
ウイルクが捕まったのは支笏湖でした。ここで鶴見中尉に出くわし(この時はずる剥けおでこじゃないので、ウイルクはすぐに長谷川さんだとわかった)、湖を渡って監獄部屋に駆け込みます。
まさかウイルクの全裸まで見ることになるとは思わなんだ……。
監獄と第七師団は関係が悪く、ウイルクはそれを利用して犬童の支配する網走監獄に入り、のっぺら坊となったのでした。
理解しようとしたけど、やっぱり違った
さて、そのころ喧嘩別れしてしまったキロランケはというと、ウイルクを追っていったものの、見つかったのはアイヌの遺体7人分。騒ぎの中、ウイルクの頭部を目にして彼の死を知り嘆きます。
変わってしまったことをあれだけ糾弾しながら、キロランケ本人が言うとおりウイルクを愛していたんですね。
ウイルクがいなくなってしまったら、もう問いかけたところで答えは出ない。ならばウイルクと同じように家族を持てば何かわかるか?キロランケが家族を持ったのはそういう動機からだったようです。
しかし、子どもが生まれてもウイルクと同じ考えには至らなかった。やっぱり極東連邦のために金塊を使うべきで、ひいてはそれが北海道アイヌのためにもなるのに、と。
こりゃもうもともと好戦的な性格なんでしょうかね……。
そうやって暮らす中、キロランケは「ウイルクは生きているのでは?」と考えるようになります。きっかけは、7人の遺体の中に金塊について知るキムシプがいたという証言。そして、土方歳三がアシリパさんを探しに現れ、のっぺら坊のうわさもちらほら聞くようになり、さらに刺青の暗号まで。
こうして「のっぺら坊=ウイルク」と思い至ったのです。
さあ、ウイルクが生きていると知った今、キロランケはどうするか。
自分も家族を持ってみて、たどり着いたのは「やっぱりウイルクが変わってしまったのだ」ということです。
変わってしまったウイルクを恨む心がある一方で、依然として彼を愛する心も確かにあるのに、0か100かのキロランケは対話で解決しようとは思わないんですね、残念なことに。
キロランケの中だけで答えが出てしまい、それはもう覆しようのないこと。
だから、変わってしまったウイルクを殺すことにしたのです。愛しているから。狼の群れのリーダーだったウイルクを愛していたから。
尾形に相図を送ってウイルクを殺した時、キロランケの目的のひとつは果たされました。
狼のウイルクに憧れた虎のキロランケが取った行動の背景に、憧れた人のやり方があったというのがなんかすごく愛を感じますし、一方で歪みを感じます。
弱くなった狼を冷静な判断で切り捨てる狼のように、組織の生き残りのために死にかけた仲間を切り捨てたウイルクのように。そんなウイルクのやり方で殺してあげたんだと言うけど、正しくはないよね。自分が狼のリーダーになったつもりでいて、全体が全然見えてない。
ウイルクが生きてると気づいた時の喜びの顔。ウイルクを殺したのは自分が殺したかったからであって、ウイルクのためでも仲間のためでもないんですよ。
次回、加藤登紀子?
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