ゴールデンカムイ281話「函館のひと」【本誌ネタバレあり感想】つながる過去

ゴールデンカムイ最新話281話を読みました。久しぶりにおいしいもの登場！

いよいよ五稜郭です。

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前回の感想はこちら↓

運命の枝分かれ

杉元たちは函館に到着。イカ焼きに舌鼓をうちます。函館でイカ漁が盛んになったのは明治期からだそうですが、アイヌ語もあるようで（エペッペッケ）。ちょっとつまずいて転びそうな語感。アシリパさん曰く、「エペッペッケ」は「枝のように分かれている」という意味だそう

杉元は「運命の枝分かれ」っていう素敵なウエペケレ（昔話）がありそうと目を輝かせて言いますが、「なんにも無い！」とバッサリ。なぜならイカに興味がないからだと。名前があるだけマシなんですかね……今や北海道産無添加のするめ足ってめちゃくちゃ高いのに。

「運命の枝分かれ」、アシリパさんにはバッサリ切られましたが、物語的にはこの後に関わってきそうなキーワードです。

ところで、やっぱり土方さんたち以外は五稜郭＝星とはすぐにつながらなかったみたいですね。そりゃ地図でもあれば別ですが、興味なければ見ないだろうし。でも土方さん、永倉さんにとっては思い入れのある地ですよね。世間では土方歳三はここで死んだことになっているわけですし。

先週、これ土方さんの死亡フラグなんじゃ……と思ったのですが、土方さんご本人は「ここで一度終わって、また新しい夢が始まる」とポジティブに考えていらっしゃる。頼もしい。

牛山曰く、五稜郭は明治30年（1897年）までは陸軍の練兵場として使われていたものの、今は無人なんだとか。1897年といえばシライシが「脱獄王」になっただか呼ばれ始めただかの年ですね。

さて、五稜郭に金塊が隠されたのは、もともとのアイヌの隠し場所がすぐ近くだったからでした。

これは最後に房太郎がくれた情報です。土方さんでさえ、先にその情報がなかったら五稜郭の星の形に思い至らなかったというので、大手柄ですね。

隠されていたのは、函館山のロシア領事館。作中では南西へ7kmとのことですが、今の地図で見ると旧ロシア領事館から五稜郭までは6.6kmくらいです。車で15分、徒歩なら1時間20分ほど。

1902年。アイヌたちはキムシプの案内でロシア領事館を訪れていました。ここに隠されたのは、もともとアイヌがロシアから軍艦を買おうとしていたことが関わっているようです。結局軍艦は沈んで手に入れられず、両国の関係悪化もあって領事館は空に。そこに金塊を隠したという流れのようです。

金塊が隠されているのは図書室の壁の向こうの地下室でした。

と、金塊を回収しようとしたところで、領事館内に別の誰かがいることがわかります。

「ロシア領事館」「1902年の出来事」「袖なしギザギザ姿でアイヌ殺人事件の事件現場に現れた鶴見中尉」これらを重ねるとすぐに予想がつくかと思いますが、そう、これはあの誘拐事件の出来事とつながっているんです。

20巻を引っ張り出してみて、ドアのガラスが割れているシーンがあるのですが、今回割られるシーンが描かれていました。しっかりつないできてる……。

いたのは、息子には死んでもらうしかないと決断するモス。まあ鯉登パパはこの後覚醒して息子を助けに向かうのですが。

あの大掛かりな鶴見劇場には思わぬ目撃者がいたというわけです。鶴見中尉、気づいてなかったんだろうか……。

列車の中で暗号を解きながら函館に向かっていた杉元たちは、あのまま札幌にいた鶴見中尉たちよりも一歩リードしていたかに見えましたが、五稜郭に入る一行の背後には第七師団が。

鶴見中尉の配下なのか、偶然居合わせただけなのかはわかりませんが、また足止めを食らいそうな感じですね。

さて、今回登場しませんでしたが、過去のふたつの出来事のつながりを見ると、鶴見中尉のほかに鍵となる人物は鯉登少尉でしょう。また函館に来て、月島軍曹がああなった今や選択できるのはオトノシンくんだけです。ここが鯉登少尉の運命の分かれ道になりそう。

もうひとつ気になるのは、金塊を見ようとするときキムシプが言った「ウェンカムイにみんな殺された」という言葉と、直後驚愕するウイルクです。なんなんだ。