ゴールデンカムイ最新話243話を読みました。
休載明けですごい爆弾……。
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宇佐美から見た尾形
ゴールデンカムイ 21 (ヤングジャンプコミックス)
もう……遠く過ぎ去った過去のこととして処理してたのに、また宇佐美のしこしこを見ることになるとは思いませんでした。宇佐美は相変わらず連続殺人犯の影を追う精○探偵で、付き合わされる菊田さんも勘弁してくれって感じだろうな。
まあ、しこしこしながら宇佐美は尾形のことをべらべらしゃべってるんで、菊田さんが尾形の立ち位置について探りを入れたいのであればしめしめ、という感じですかね。
尾形が熱を出したとき勇作さんの霊を見ていたこともありましたが、初期のモブみたいだった尾形が杉元によって川に落とされたあと、このときもうなされながら勇作さんを見ていたんですね。勇作殿に対する感情が複雑すぎていまだによくわからないんですが、どうなんでしょうね。勇作殿を殺したあと自分の思い通りにならなかったことによる消化不良がすごそうだな。そもそも尾形が殺したという確証もないんですけども。
宇佐美は花沢閣下の子だからという理由で鶴見中尉に目をかけられる尾形が相当気に入らないようですが、今回の過去編を見てると結構仲よさそうじゃないですか……。
尾形の動機
このころ、尾形は「生まれがどうであろうとみんな同じ」という考え方でしたね。敵兵を何人殺そうが罪悪感はない。お清い勇作殿も一回手を血で汚してしまえば同じになる。
ただ、勇作さんを撃つ前に宇佐美の意見を聞いたことだけは間違いだったと言わざるを得ない。尾形は「誰だって罪を犯しうる」し、「罪悪感なんかない」と思っていて、「親からの愛情の有無で違いが生まれるわけがない」ことを示したいのです。その話を宇佐美はうんうんと聞いているんですが、その男もたいがいやばい。そいつと同意見だからって「やっぱ俺間違ってないじゃ~ん!おかしくない」なんて思っちゃだめ。せめて数人にアンケートをとりなさい。
宇佐美も同意見だったから安心したのか、勇作さんに殺しをすることを強要したわけですが、「見てみたい」という尾形のおねだりは失敗に終わりました。「父に」そうあれと言われたから人を殺すわけにはいかないと言った勇作さん。尾形は己の自尊心を守るための仮説を証明することに失敗し、今度は方向転換します。
もともと尾形は両親の愛情を受けなかった子(尾形)と両親の愛情を受けた子(勇作)、生まれや育ちに違いがあっても一皮むけば同じだと言っていたはずなのに、今度は勇作の死後に父がオレに愛情を向ければ、しょせん(愛情を受けた)勇作だってオレと同じような人間になったかもしれない。そういう道があったかもしれない。と、自分と勇作さんを同列にすることで勇作さんを貶める考えに転じたのでした。
だって気に入らねえ弟をどう引きずりおろして貶めてやろう、汚してやろう、と考えたところで、勇作さんは清いまま死んでしまったのです。もう自分が条件をそろえにいって、「そうだったかもしれない」という仮定で汚すしか方法はなかったんでしょうね。
でも、勇作さんを失った父は尾形に見向きもしなかった。
だから尾形は今でも勇作さんの亡霊にとらわれ、アシリパさんにも勇作さんを見ているんですね。アシリパさんに投影して、アシリパさんが手を汚すことで、ホンモノで叶えられなかったことを叶えようという。目を射られたときの笑みはそんな感じでしたよね。
尾形にとって、勇作さんだけが純粋に愛してくれる人だったはずなのに。対アシリパさんみたいに懐柔しようとしなくたって愛されてたでしょうに。
尾形と宇佐美
いまだによくわかっていないのは、尾形がいつから反鶴見中尉だったかということです。
花沢閣下を死に追いやったあとのシーンですが、11巻の回想シーンでは「よくやった」という中尉に尾形は「タラシめが……」と思っている。宇佐美や鯉登少尉と違って中尉に心酔しているわけじゃありませんから、判断が難しい。
一連の流れを見ていた宇佐美は嫉妬で唇かみしめ、尾形がヨシヨシされて喜んでると思ったようですが……。父に受け入れられなかったから今度は中尉の愛情を期待しているんじゃないかと勘繰っているほど。
宇佐美は尾形を中尉から引きはがしたいという理由から、「満鉄のことを調べろ」と言います。花沢中将が反対していたという件ですね。中尉は反対派の中将が邪魔だから消した、お前のためじゃない、と言いたいだけだったんでしょうけども。
尾形に一生どうにもならないコンプレックス(解消できるかもしれなかった存在を全員殺してしまったから)があるように、宇佐美にもコンプレックスがありますね。自分には鶴見中尉の役に立つコネクションがないことです。自分にはどうにもならないことで尾形や鯉登少尉がかわいがられているように映って、「お前らなんかしょせん駒のくせに」と相手を落とさなければ気が済まないのですが、その言葉は何倍にもなって自分に跳ね返ってくる。だって宇佐美自身が鶴見中尉に拾われた駒で、見下したはずの尾形や鯉登少尉が持っているものを何一つ持たないちっぽけな駒だから。
煽ってブチ切れた宇佐美をおまるで殴って逃走する尾形……。
おまるとか尿瓶とか、別に出す必要もない入院アイテムをここぞというところで出してくるの笑う。
尾形は「やっぱオレはおかしくないな」と宇佐美に言っているようで自分に言い聞かせていたし、宇佐美も「俺は駒じゃないよな」と誰に言うでもなくつぶやいて、これまた言い聞かせています。ふたりともそうじゃないことに気づいていながら自己暗示でごまかそうとしているんですね。自尊心のために。
似たもの同士だねえ。
ていうか宇佐美の「百之助」呼びはなんなの。ちょいちょいはさんでくるけども。仲良しなの?尾形も宇佐美にだねいろいろ相談するし打ち明けるし。
宇佐美も尾形の過去語りながらずっとシコってますからね。尾形で抜いてるといっても過言ではない。
宇佐美は尾形が必ずやってくると待ち構えています。一方尾形は左目左撃ちにようやく慣れ、鴨くらいの小さい獲物もしとめられるほどになりました。狙撃手として復活するには、人を撃たねば。
宇佐美が尾形に執着するほどには尾形は宇佐美のことを気にかけてすらいないと思うんですが。そろそろ全員集合かな。
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