急に文明的なものが登場した前回。205話では引き続きシネマトグラフのお話です。
扉絵が鶴見中尉なんですけれども、この件に絡んでるの?今のところすぐに出て来る様子はありませんが、なんか怖い。
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前回の感想はこちら↓
いろいろ気づいている月島軍曹
先遣隊の中で一番真っ当に鶴見中尉の部下として仕事をしていたのは月島軍曹です。この人は坊っちゃんのお守りをしつつ、ちゃんと見るべきところは見てしっかり考えていました。
アシリパが樺太に連れてこられた理由とは?
なぜ尾形はあの吹雪の中でキロランケからアシリパを引き離したのか?
キロランケの今わの際で、アシリパは何をつぶやいた?
キロランケは最後に安堵の表情を見せた
これらから導き出したのは、アシリパは暗号を解くカギに気づいたのではないか?という仮説です。さらに、尾形がアシリパに銃を向けたのは、解読方法を聞いて用済みになったからではないか、と。
ですが、杉元の意見は違います。アシリパさんが尾形なんかに言うはずはないと確信しているようです。暗号解読の件に関しても、杉元はほかの人間にゴチャゴチャとかき回されたくないようで、「俺が話すから邪魔するな」という態度。
鶴見中尉が迎えにやってくることになっていますが、杉元は鶴見中尉なんかにアシリパさんが心を開くとは思ってないみたいです(笑)そりゃそうか。
でも鶴見中尉は人心掌握に長けた人物ですからね……アシリパさんであってももしや、ということもあります。
鶴見中尉の手練手管でアシリパさんが引きずり込まれ(もしくは利害の一致で協力)でもしたら、杉元はいったいどうする?
アイヌの昔話を活動写真に残す
さて、クズリに襲われたところを杉元・アシリパコンビに助けられた活動写真の興行主と撮影技師のふたりですが、助けてもらったお礼なのか、撮影した映像を見せてくれます。アイヌの映像です。
予想していたことですが、これを見たアシリパさんはアイヌの文化を映像で残したいと考えます。ただ、このころの活動写真は音声がつかないので(映画も活動弁士が講談のように解説していた時代)、声はあきらめなければなりません。
それでもアイヌ文化を映像に残したいアシリパさんは、アイヌの昔話を動きで見せて撮影しようと提案します。「口伝で伝えられてきたアイヌの昔話なら蓄音機で十分では?」と興行主は言いますが、アシリパさんは映像にこだわります。活動写真なら言語の異なる文化圏の人にも伝わるから。
必死なアシリパさんを見て、杉元も興行主を脅して説得します。
パナンペ・ペナンペ物語
撮影する演目は、「パナンペ・ペナンペ物語」という昔話です。「川下の者・川上の者」という意味だそう。いつもパナンペが得をして、うらやましがるペナンペが真似をして失敗する話。こぶとり爺さんみたいな話ですね。
類型的な話で、パナンペとペナンペの昔話はたくさんあるみたいです。YouTubeには違う話ですが、やはり似たようなものがありました。 ペナンペはひどい死に方をするんですけれども、このオチもどうやら共通のようです。
アシリパ監督の元撮影は始まり、パナンペを杉元が、ペナンペを白石が演じます。(それぞれの妻を鯉登少尉と月島軍曹が演じる)
お話は、動画よりも随分下品なもので、
パナンペが川の氷に穴を開け、チ○○を入れて魚をおびき寄せ、大漁で家に帰った。奥さんも大喜び。するとペナンペがやってきて、「なぜそんないい暮らしができるのか」と尋ねます。パナンペが事の仔細を話すと、ペナンペは聞いた通りに同じことをしました。ところが、欲を出して○○ポを一晩中浸けたために凍り付いて抜けなくなってしまいます。見かねたペナンペの奥さん(月島)がマサカリで氷を割ろうとしますが、誤って○○○を切り落としてしまったのです。ペナンペはつまらない死に方をしましたとさ。
という話。
アシリパさん、演技指導にも熱が入ります。鯉登少尉もタジタジ……。
もう一本もまた○○ポの話です。
パナンペが海辺でチ○○をのばすと、それは松前まで達します。(松前城のハリボテ登場。大道具はヴァシリです)松前の女性たちはそれを物干し竿だと思って上等な着物をたくさん干し、○○○を引いたパナンペは着物をたくさん手に入れて大儲け。またペナンペが真似をしますが、松前の女性たちは着物を盗まれたと怒っていたため、また伸びてきた竿を刀で切り落としてしまいます。結局ペナンペはつまらない死に方をしました。
という話。
ところで、なんで川下の者の方が得をするんだろう?川上の方が先に豊かなものを得られそうなのに。
どうしても伝えたい
ここまで撮影して、アシリパは「こんな芝居ではだめだ、伝わらない」と震えます。
こんなんじゃ残らない 伝えられない
野田サトル「ゴールデンカムイ」205話/集英社より
そういう姿からは切実なものを感じます。今度は杉元がチンポの話じゃなくて真面目なやつをしたら?とアドバイスしたので、カムイの昔話を撮ることに。
「斑文鳥の身の上話」という話で、三兄弟の話。主人公はチカパシが演じます。
主人公には大きい兄と小さい兄がいて、いつも三人で狩りをした。遠くへ狩りに行った際に見つけた家で、三人の娘に出会います。皆は食事をしてユカラを謳って交流しますが、突如怪しい男が入ってきた。正体は人間に化けた熊でした。この家は女だけで大きな熊を狩ることはできなかったので、娘たちにとても感謝されます。その後、主人公は兄たちと旅をした後、娘たちと結婚することに。その家の息子として幸せに暮らします。と、ここで、大きい兄は自分が鳥のカムイであることを明かしました。鳥の姿になった兄は羽ばたいていきました。
という話。
鳥の姿で羽ばたく谷垣、めちゃくちゃ重そう。杉元・白石・月島の三人がかりでロープを引いてる。
アシリパさんは演技中のチカパシにダメ出し。
身寄りのない主人公を保護して旅に出て、悪いカムイと戦って立派に育てて家族まで持たせてくれた兄との永遠の別れのシーンだ、と説明され、大粒の涙をボロッとこぼすチカパシ。
この設定って明らかにチカパシと谷垣そのものですよね。これは樺太の旅でちょっとずつ成長したチカパシが谷垣に別れを告げるフラグでしょうか。先週、エノノカがチカパシとの別れを悲しむというシーンがありましたが、もしかするとチカパシが樺太に残る可能性もあるかも?
谷垣がバリっと落下するオチつきです。
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