ゴールデンカムイ最新話273話を読みました。
ビール工場でのドタバタ以来ちっとも出てこなかった尾形とヴァシリ登場。とりあえずまだどちらも元気そうです。
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前回の感想はこちら↓
尾形とヴァシリ
ゴールデンカムイ 25 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
大方の関係者が札幌麦酒工場から離れたころ、火事も沈静化されたようです。
おそらく消防団の一員になって紛れ込んでいた尾形、ヴァシリはしっかり見つけるものの、前回のチャンスに誤って無関係の人間を撃ってしまったこと、そして樺太で尾形にしてやられたことなんかを思い出し、一瞬のチャンスを逃してしまいます。
尾形も相手が迷ったのであろうことを察していて、そのあたりスナイパーは分析好きなんでしょうかね。
頭巾ちゃん、がっかりだね。
でもそう簡単に仕留めても面白くないでしょう。
尾形はその後民家を通り抜け(塀の下をくぐるさまはネコチャン)、門倉&キラウシを見つけたようです。
門倉はあの奇跡の生還からこっち、無事だったんですね(笑)それにしても甲斐甲斐しいキラウシ。
揺らぐ?
一方、宣伝車で逃げている杉元・白石・アシリパさん。
アシリパさんは直前に撃たれるイポプテの姿を目にし、そして車の中には房太郎の亡骸が横たわっている。
あれだけ父の犯した罪で責められ、金塊の禍々しさを知り、その上でアイヌだけの未来を固持することは正しいことなのか、決意が根底から揺らぐのは無理もありません。
倒れ込むアシリパさんを運転しながら腕で抱きしめる杉元、心強い……。
そして杉元と違って、空いたハンドルの片側を手でつかみながら前だけを見る白石もすごくいい。
アシリパさんは、牛山を発見したという白石の声にすぐ顔を上げ、偽物の判別方法を共有すべく声を上げます。
まあ、もはや諦めるかどうか悩む段階はとっくに過ぎてしまってるんですよね。
鶴見中尉の考えももっともかもしれないけれど、あの人は人の心を揺さぶるのがものすごく上手いだけで、反論の余地はあるでしょう。金塊を「ゴールデンカムイ(悪い神)」とする考えに否を突き付けるには、アシリパさんが進むしかないんです。
「役目」云々に絡めるならば、ここに至るまでに死んでいった父やキロランケ、仲間じゃないけど最後は託した房太郎、その命に報いるためにも、アシリパさんは立ち止まってはならないんです。彼らの死にはそれぞれ別の大きな役目があったかもしれないけど、ここにきてアシリパさんが前に進むための材料(悪く言えばアシリパさんを逃さない枷)にもなっている。
父のマキリ
さて、先週輝く目をした月島軍曹に撃たれてしまった有古ですが、生きていました。
先週から有古父のマキリの行方が気になっていて、それが銃弾から守ってくれたんじゃないかみたいな漫画みたいな(漫画だけど)ことを考えたりして(みんな一度は考えますよね)、でもそんな漫画みたいなことあるわけない(漫画だけど)と思ってたら本当にそういう展開でした。
病院に連れて行った菊田さん、おんぶしてどれだけ歩いたかわからないけど、重かっただろうに……。戦友に対する愛ですね。
実際、どのような状態でマキリが弾を受けていたのか描かれてはいません。イポプテを銃弾から守ったのはきっと、父がイポプテに渡そうとしたものでしょう。
後々の話として、どこかの資料館に有古イポプテの作品として残るマキリが紹介されています。それは父のマキリそっくりの文様だけど、一か所独自の文様が付け加えられたもの。ちょうどそこに弾が当たったんでしょうね。お守りとして、以後自分が作るマキリにその跡そっくりの文様を付けたすことにしたのでしょうか。
有古が死んでたら本当に月島軍曹の命も保証されないなと思っていましたが、こうなってくるとどうなんでしょう。
これとは別に、アシリパさんにつくことを決めたイポプテと分かれた菊田さんの命が不安ですよ……ノラ坊と組むの組まないの、どっちなの。
菊田さんは「中央につかない」と言った有古に、自分がどういう立場をとるのかはっきりと言わずに立ち去ってしまいます。
こわい。
計算された鶴見劇場
今度は鶴見陣営です。
鶴見中尉の考えを聞いて、やっぱり鶴見中尉は間違っていなかったと喜び、また鶴見中尉とは共通語(標準語)でおしゃべりできなくなってしまった鯉登少尉。
結局その場にいた二階堂に通訳を頼むのですが、二階堂の本当の耳はそこじゃないんだ……。そこは顎なんだ。(でもちゃんと聞き取って通訳する二階堂えらいね)
鯉登少尉はアシリパさんを追っていった月島軍曹に応援をやるべきかと相談しますが、鶴見中尉は呼び戻すように言います。
アシリパさんは嘘偽りなく本当の鍵を伝えたので、もうアシリパさんは必要なくなったんですね。前回も触れたことですが、私怨についてはもうあれで満足したんでしょうか。
短時間で暗号の鍵が正しいと気づく鶴見中尉に鯉登少尉は、鶴見中尉はすごい、やっぱりあれはアシリパを落として鍵を引き出すための鶴見劇場だったのだと考えますが、そりゃちょっと甘いでしょうよ。
あの語りの場で盗み聞きしていたふたりに鶴見中尉が気づいていたこと、これは読者は薄々感じていますし、それは当事者のふたりも同じだと思ってたけど、違うの……?
この甘っちょろい鯉登少尉は、この後自分たちがビールに溺れたせいでビール臭いのだと知ります。あの場にいたことを、最初から鶴見中尉に知られていたと、ようやく悟ってゾッとするんですよ。
これを月島軍曹に言うべきか。
しかし、全てが嘘だとは限らない。鶴見中尉は偽物人皮に本物を混ぜた人です。嘘の中に本音を混ぜて、どっちがどっちだかわからなくさせる。そうやって混乱させる。
鯉登少尉は日本の防衛と繁栄のためという動機に偽りはないと信じることにします。あの時の真実に目をつぶるのは、何より月島軍曹のためでもありました。大切なものを捨てて鶴見中尉にすべてを捧げた軍曹は、偽りだったと知ればどうなるか(私はそれはそれで、地獄に堕ちた気分になるでしょうが、目が覚めていいのでは、と思うけれど)。ここまで鶴見中尉についてきた月島軍曹にとって、ほしいのはたったひとつ。自分の選択が間違いではなかったという確信です。
疑心暗鬼の中、ずっと知りたかった答え。鶴見中尉は軍曹が「欲しがった真実」を見せてやったのです。
ふたりの関係を知る鯉登少尉は、軍曹のために真実に口をつぐむことを選びました。
「月島」が鳴き声の鯉登少尉にしては、大きな決心ですね。
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