ゴールデンカムイ最新話308話を読みました。
休載明けの土方さんジンクスっていうのは最後まで当たってた気がする。
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後悔
ゴールデンカムイ 28 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
白石って門倉くらい運が強いですね。誰も気に留めないけど、頭かじられてるのに……。お約束でかじっていくヒグマも何なんだか。
今回やっと矢筒の中身が出てきました。数本の毒矢と権利書。鶴見中尉にとって不要な毒矢は列車の屋根の上にバラまかれ、これはおそらく次回効いてくる。
自分をおとりにして狙撃しろと命じられた尾形は、もしや土方さんを撃つのか?とも思いましたが、そうはなりませんでした。
京都で戦いまくった時代から今に戻ってきた土方さん。もはや気持ちに体がついていかなくて、自分であるはずのあの頃の「土方歳三」の姿は、現在の「杉元佐一」に重なります。
息を引き取る直前、土方さんは「悔しい」と語りました。今までわりと満足がいく死を迎えた人物が多かった印象があるのですが、土方さんはそうじゃなかった。はっきりと描かれてはいないので断言できないのですが、コマの流れどおり読むなら土方さんは誰とも知れない兵士の銃弾に倒れましたね。ここは史実と同じ。そこにも悔しさ虚しさはあったのかもしれない。
ただ、過去の自分の姿に今の杉元を重ね合わせた土方さんは、託す相手がいることには安心したんじゃないでしょうか。
和泉守兼定と銃剣
土方さんは杉元に和泉守兼定を託しました。このふたり、もともと対立してたのが不思議なくらい最終的にめざすところは共通してるんですよね。金塊と権利書は和人もアイヌも救うために使う。
刀を受け取った杉元が向かった先は、列車の屋根の上の尾形のところでした。ヒグマの相手中の尾形はすっかりそっちに集中してしまって気づかなかったんでしょう。
角度的に心臓っぽくもあり、腕か、心臓をそれた胸か。兼定は腰に差し、尾形を刺したのは銃剣でした。
兼定と銃剣、何の因果かどっちもチタタプに使われてるんですよね。銃剣のほうは、以前遭難した時に「アシリパさんにチタタプできるように研いでおけと言われた」というようなセリフがありました。
兼定も銃剣も本来食べ物を刻むものじゃないんですけど、それに使われているのはきっと意味があるんですよね。アイヌが使うものではない和人の道具(しかも武器)でチタタプすることで、「和人とアイヌで共に戦っていく」という意味に取れます。「チタタプと言いながら刻む」という本来ないルールをアシリパさんがしきりに言うのは、一種そのための儀式のようにも思えるし、またチタタプに臨む者の姿勢を浮き彫りにする装置のようにも思えます。それ以前に、アシリパさんに食料を与えられる描写もたびたびありましたが、「同じ釜の飯を食う(というか「共食」と言ったほうがいいか)」こと自体、共同体に加わる、あるいは共同体を形成するための儀式ですよね。
杉元は自分から進んでチタタプしたし、チタタプできるように銃剣を研いだ。土方さんは「これでチタタプしていいか」と言うチカパシに快く頷き、兼定でチタタプさせた。チタタプを通じて自分から進んでアイヌとともにあろうと行動したふたりは確かに似た者同士です。
ちょっと話が脱線しますが、これに対して基本的にアシリパさんから餌付けされるような形だった尾形は自ら進んで共同体に加わろうという姿勢はなかったということ。ま、散々アシリパさんに言われて「チタタプ」も「ヒンナ」も言うんですけど、積極的ではなかったですよね。それでも尾形がチタタプ言いながらチタタプしたのをアシリパさんがあれほど喜んだのは、上のような理由があったのかなと想像します。
「強い奴を倒すときは頭を狙わない」
チタタプするために研いだ銃剣は鋭い。
ヒグマを相手しながら尾形がつぶやいた「強い奴を倒すときは頭を狙わない」というのは、15巻147話のアシリパさんの言葉です。トドの頭を確かに撃ったはずなのにという尾形にアシリパさんが教えた言葉。
ヒグマもトドも頭の骨が分厚いからという理由ですが、尾形の獲物に関して言えば、思い返すと頭を狙った連中に憑りつかれたり(勇作さん)、勝負しようと追いかけられたり(ヴァシリ)、今殺されそうになっていたり(杉元)、散々ですね。宇佐美は頭じゃなかったから死んだのか。
アシリパさんの教えにより研ぎ澄まされた銃剣で今尾形を追い詰める杉元と、アシリパさんの教えをふと思い出すことはあっても、それを大事な場面でいかせない尾形。↑の儀式に臨むぞれの態度がそのままスライドしたような状態に思えます。
コメント
こんにちは。
またまたお邪魔しにきました。
権利書、素直に矢筒の中でしたね。取られても毒矢が手元にない方を気にしていたのは、なぜでしょう?ヒグマを倒す方が先決だから?
土方さん、永倉さんと夏太郎に看取られて旅立ちましたね。単行本で加筆されるでしょうが、第七師団の兵士によって、史実と同じ腹部被弾で。「悔しい」と言ったのは、アシリパを補佐して中央政府やロシアと渡り合うためにまだまだ生きるつもりだったから、かしら。覚悟はしていたものの、やっぱり辛い展開でした・・・。
鯉登中尉と月島軍曹は、永倉さんに倒されたみたいですね。これで第七師団主要メンバーで残っているのは鶴見中尉と尾形のみ。次回、尾形は反撃しようとするも、勇作殿が現れて果たせず、杉元に倒されるのでしょうか。ずっと帽子のひさしで隠れていた勇作殿の目元、ついに現れるのかも。
土方さんが亡くなったことで、最終回がいよいよ近づいてきた感がありますね。東京ドームシティでゴールデンカムイ展が4月28日から6月26日に開催されます。最終回は、展覧会の最終日近辺なのでしょうか。
野田先生がおっしゃった「みんなが良かったね」と言ってくれる結末がどう描かれるのかを楽しみにしつつ・・・アシリパ、杉元、白石と谷垣は生き残ってほしいと願っています。
コメントありがとうございます。
権利書の問題については作中の描写とどうも噛み合わないとこが気になりますね。
まああのばら撒かれた毒矢で次回以降アシリパさんが直接尾形に手を下すかどうか、そこに注目したいです。
ゴールデンカムイ展の何かの情報で「完結記念」とチラッと出て消えたみたいなのを聞くので、そのころに終わるのかもしれませんね。
サンリオコラボの件といい情報の先走り感が否めませんが……
この回での土方歳三の最後のセリフは、やなせたかしが晩年に言っていた言葉のオマージュのような気がしてなりません。
以前90歳を越えたある日のインタビューがテレビでやっていたのですが、その時最近目が見えなくなってきたので自分はそろそろお迎えが来るのだろうか、アンパンマンのアイデアが色々と湧いて来てこれから面白くなるというのに悔しいなぁ…と語っていました。
もしかしたら野田氏の現在の心境も同じなのかも?という下衆の勘繰りもしてしまいました。
コメントありがとうございます。
やなせたかしさんそんなことをおっしゃってたんですね。
似たようなことを葛飾北斎も言ってますね。北斎も長生きですけど、70過ぎで「まだまだだ」と言っていて、死に際の90歳過ぎで「もう10年、せめて5年あれば本物の絵師になれる」と言ったとか。
人は極めるほど自分の力量をよく知るというか、永遠に満足することはないんだろうなと思います。
土方さんもまさにそんなタイプのように感じます。生きていれば、ずーっと青春してたでしょうね。