ゴールデンカムイ203話「似顔絵」【本誌ネタバレ感想】杉元、絵心がない!

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18巻発売の翌日が本誌って忙しいけどうれしいですね。

ヴァシリ、尾形が好きすぎて絵にまで描いちゃったのかと思ったら全員分の似顔絵描いてたみたいですよ。器用な男ですね。

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似顔絵に救われたヴァシリ

絵って言葉の壁を越えるんですね……。

ヴァシリが描いた尾形の似顔絵はあれひとつではなく、何枚もありました。何かちょっと微笑んでるのもるけど、それアンタの妄想では?

杉元は言葉が通じないのもおかまいなしに日本語で話しかけていて、ヴァシリは「?」を浮かべるばかり。でも、似顔絵があったから杉元もヴァシリの目的がわかったわけで、救われましたねー。

ヴァシリも傷のせいでうまくしゃべれないしどうせ通じないので、なんと自分の似顔絵を出して身振り手振りで説明を始めます。銃を持った尾形とヴァシリの絵を突き合わせ、ヴァシリ倒れる。

杉元も理解(笑)

ヴァシリの懐からは、白石、アシリパ、キロランケの似顔絵も出てきます。よく似てるけど、アシリパさんはあんま似てないね。白石もキロランケもわりと適当な感じだし、尾形の描きこみ具合といったら……めちゃくちゃ好きじゃん?

キャラクターが増えたので、杉元はアシリパさんと白石の似顔絵を差して「この二人は関係ない」とし、尾形の似顔絵を拳でぶっ叩いて「悪いのはこいつ」と説明。

真似してヴァシリも尾形の似顔絵ドンッ!

「そうだ いいぞ」

野田サトル「ゴールデンカムイ」203話/集英社より

杉元、はやす。

真似するヴァシリ、なんかだんだんこの人のことがかわいく見えてきません?

ここまではなんとか身振り手振りで理解できても、杉元が説明する段になるとわからない。

杉元、絵心がなさすぎる

しょうがないので杉元も絵を描いて説明しようとするんですが、これがもう絵心壊滅的。

網走監獄で頭を撃ち抜かれた絵を描くんですけど、よくもまあ自分の似顔絵をそんなふうに描けるな……。

キロランケと尾形の似顔絵を並べて(もちろんヴァシリが描いたの)その時の関係を説明するんですが、ヴァシリは頭を撃ち抜かれた杉元像を蜘蛛だと判断。

「違う!蜘蛛じゃない」って怒ったってさ、しょうがないよ杉元、そんな絵じゃ。

そこから尾形の右目が失われた話をしつつ絵を描いてるんですが、おそらくアシリパさんに右目を射られたシーンとノーフンで馬にまたがり両手を広げながら逃げていったあのシーンが混ざってる。杉元もかなり印象的な別れだったんでしょうね。「オガタニゲタ」の字、カタカナにしたところで、よ。

ところで、それケンタウロスじゃない?

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アシリパさんへの思い

描きながら、話しても伝わるはずもないのに杉元は自身の思いを語ります。

右目を射たのはアシリパさん。でも射る気なんてなかったと思う。だから自分は目をえぐって尾形を助けた。それはアシリパさんを尾形の死で汚したくはないから。

「助けた」というのはもしかすると、尾形ではなくアシリパさんを、という意味かもしれません。

「アシリパさんが見ている世界に俺もいると思うと なにか綺麗なものになった気がして救われる」

野田サトル「ゴールデンカムイ」203話/集英社より

こう語りながら微笑む杉元。

このとき、アシリパさんはすでに撃たれる心配がなかったため建物内に入ってきていました。杉元のすぐうしろ、障子の影で杉元の言葉を聞いていたのです。

ちょっと涙目のアシリパさん。お互い再会してからあのときのことをじっくり話し合うこともなくここまで来て、杉元の心を初めて知ったのでは?

それにしても、杉元はアシリパさんを神聖視しすぎ。

アシリパさん(神聖不可侵)を大事に大事に、真綿にくるむようにして守って、その世界に自分がいるなら、アシリパさんに見てもらえるなら、自分も浄化されるような気がする。

そんなところでしょうか。

17巻で尾形はアシリパさんに「闇」を見ていて(勇作さんと重ねている)、杉元は「光」を見ていました。尾形と杉元でまるで正反対のものをアシリパさんに見ているわけですが、根本は同じだよなあと思う。

どちらも戦争(にかぎらないけど)で大勢の人を殺して、杉元は手を血に染めた自分は穢れていると感じている。そうではない人が普通で、自分はそれより汚い。

一方尾形は同じように手を血に染めてはいるものの、それが「普通ではないと思っていない」。むしろおかしいのは崇高で穢れていない勇作さん(アシリパ)のほうだと思っている。自分は普通で、穢れなき存在こそ異端だと思っている。その崇高なものが自分のいるところまで堕ちてこないのをイラついてるわけですよね。

結局どっちもどっち。おかしいと認識しているのかいないのか、その違いだけ。

思うに、尾形の考え方ってそれほどおかしくない。かといって杉元がおかしいというわけではないけど。尾形はちょっといきすぎてるだけでね……。

通訳者・月島軍曹きた!

頭を突き合わせて絵を描いていたヴァシリと杉元でしたが、ようやく月島さん、鯉登少尉、谷垣も到着。

アシリパさんが来たことでヴァシリが何者なのかわかり、通訳の月島さんによってヴァシリは経緯を把握。月島さんは「皇帝殺しの一件で追ってきた」と思っていたようですが、まあ目的は尾形ですよねー。

脚を撃たれて一言モノ申したい白石。まあ無理はない。掴みかかってもおかしくないのに、文句言うのにとどめるだけ穏便だよねえ。

ヴァシリの口の傷を見ておののいたのか、

「はやくロシアに帰れバカアホ」

野田サトル「ゴールデンカムイ」203話/集英社より

と語彙力が欠如した捨て台詞をはいて犬ぞりで立ち去ります。

ぽつーんとひとり残されたヴァシリ……

かわいい、かわいそう。

ちょっと走らせたところで、白石は後ろからついてくるのに気づきます。ヴァシリは馬を盗んで追いかけてきていました。捨て犬みたい……。

まだ皇帝殺しの仲間だと疑ってるのか、という白石に、アシリパさんはそうじゃない、と断言。ヴァシリが似顔絵を描いていたのは、手配書の裏。これはもうキロランケに興味がない証拠で、ヴァシリは尾形を追うことで頭がいっぱいだと。

ここで、尾形の行動について話し合うトリオ。再会してこれだけ尾形について話すのは初めてじゃないでしょうか。

本当に金塊を狙っているのか、と疑問に思うアシリパさんに、杉元は「引っ掻き回して遊んでるだけかも」なんて答えます。

案外、そうかもよ……。

(ところでこの1ページ、横切る猫?おそらく尾形のこと話してる場面だし山猫だと思うけど、人面猫に見えて怖い)

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ソフィアは日本へ

杉元としてはソフィアの行方が気になるところですが、先遣隊の目的はアシリパさんの奪還。それが果たされた今、月島さんや鯉登少尉の考えに従うしかありません。

軍曹はスヴェトラーナさんの両親に彼女からの手紙を渡せたし、満足満足。

岩息はロシアで強い男を探していた

岩息、スヴェトラーナさんの用心棒として一緒に大陸へ渡ってましたよね。

ロシアの日本海沿岸の町で、マイハルは相変わらず強い男を求めてケンカに明け暮れていました。そしたら出てきたのがソフィアです。男らを従えたボス。

かかってこい、と煽るソフィアに、マイハルは「男性だけにしてくれ」と言います。

ソフィアの

「やさしい男嫌いダヨ みんな死ぬカラ」

野田サトル「ゴールデンカムイ」203話/集英社より

という言葉、これ日本語で言ってるんですけど、ズシーンと心に刺さります。ウイルクは死んだ。そして坊や・キロランケも死んだ。

いかにマイハルだろうと、ソフィアの拳にはかないませんよ。ボッコボコ。女性にこれほどやられて、世界は広いと歓喜するマイハル。スヴェトラーナの仲裁がなかったらどこまでいっていたか。

ソフィアはマイハルが気に入り、一緒に来いといいます。しかしマイハルの目的は西へ行くことだし、スヴェトラーナの目的も都会に行くこと。日本に帰ると刺青を狙われますからね。

一方ソフィアの目的は北海道。「希望」と「復讐」のためです。

復讐……尾形やられる?

今回はここまで。ソフィアも日本へ向かうことがわかったので、とりあえず安心(安心していいのかわからない恐ろしさですけど)。

次回予告がソフィアの乳で隠れて見えん!「胸張って行こうぜッ!!」

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