ゴールデンカムイ第210話を読みました。
今回の扉絵は鯉登少尉のクソコラ写真ですが、アオリ文句がおっかない。「剥がれ落ちたのは敬愛?」っていう。
尾形逃亡からの伏線のひとつが明かされたというか、つながった回でした。
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前回の感想はこちら↓
「ボンボンが」
このセリフ、尾形が言ったのはロシア語でしたが、鯉登少尉はちゃんと尾形の伝えたいことを受け取ったようです。伝えたかったというか、かき回してやりたかっただけかもしれませんが……。
鯉登少尉は港で鶴見中尉を待ちながら、鶴見中尉と月島軍曹のツーショット写真(もちろん月島軍曹の顔に自分の顔をコラージュ済み)を眺めながら月島軍曹に問いかけます。
尾形が亜港の病院から逃亡する直前に言ったことについて。「ボンボンが」です。で、そのときは描かれていませんでしたが、尾形はまた別の話もしていたようで、鶴見中尉に会ったら「満鉄」のことを聞いてみろと言って去ったのです。
満鉄といえば南満州鉄道株式会社のことですけども。私は「はいからさんが通る」で大変なじみ深い(“少尉”といえばまず伊集院少尉が思い浮かぶ系の人間ですから)。
花沢中将は満鉄計画に反対していた
鶴見中尉は満州の地で死んでいった兵たちに誓うように、満州の地が日本である限りは彼らの遺骨は日本で眠っていることになる、と言いました。
満鉄の計画はすでに日露戦争時には進んでいて、鶴見中尉はそういう経緯もあって推進派だったと思われます。それに反対していたのが尾形の父である花沢幸次郎中将でした。
鶴見中尉はなんで花沢中将を死に追いやったんだろうなあと改めて考えてみると、日露戦争の責任を取らせるためとかふわっとした動機はあるでしょうが、実際は満鉄計画推進に邪魔だった人間を排除した、という。まあほかにも理由はいろいろあるんだと思いますが。
鯉登少尉は何も考えていないように見えて、父の友人だった花沢中将の死に鶴見中尉が関係しているのでは、とたどり着いていたのです。
ただこの時点では、尾形が父を殺した中央に反感を抱いて鶴見中尉の下で動いたが、真相を知って鶴見陣営から離反した、と捉えているので、ちょっと惜しい。
「バルチョーナク」でつながる
鯉登少尉の推理を聞かされた月島軍曹はしれっと「混乱させるためなら何でも言うよ尾形だし」みたいなことを言う(笑)
でももう尾形が言い放った「バルチョーナク(ボンボンが)」であの誘拐騒動に結びついてしまったので、はぐらかすことはできません。あの場に月島もいたのでは、と勘づかれ、芝居を打ったのだと悟られてしまいます。
闇落ち月島軍曹
今回の一番の衝撃は軍曹の顔ですよ……
そんな顔できたん??
15巻の月島軍曹過去エピソードで、ああこの人は鶴見のやったこと・意図をすべてわかったうえで、諦めの境地でここまで来たんだな、と思ったんですが、諦めどころではないダークサイドに堕ちていた……。めっちゃこわい。そんなに白目出すの尾形くらいよ??尾形逃亡のイっちゃったシーン(例のケンタウロス)くらい恐ろしいです。
途中までは適当にごまかそうとしていましたが、鯉登少尉が「鶴見中尉本人に確認する」というと
「あなたたちは救われたじゃないですか」
野田サトル『ゴールデンカムイ』210話/集英社
と、おどろおどろしいフォントでしゃべる。もうどうにでもなれと思ったのか、尾形自身が花沢中将を手にかけたこと、自分も鶴見中尉に一芝居(どころか何芝居も)打たれたことをツラツラと語り始めます。
だって、月島軍曹は救われてないもんね……。でも鶴見中尉について行こうと決めたのは、とんでもないことを成し遂げられるのはああいう人だと思ったからだと言います。それを一番近くで見たいんだと、うっすら微笑んで言う軍曹。それを見とどけたらどうするんだろうこの人。
当初の予定では鯉登少尉にここまでバラすつもりはなかったのでしょうが、ここまでくるとしゃべってしまったほうがすがすがしい。「これべらべらしゃべったら貴方も消しますよ」「その汚れ仕事をするのは私ですよ」なんて笑顔でいう~~~
ところで尾形の件、月島自身も同じように父を手にかけた過去がありますが、あなたは「満足」したんだね……。
裏切らない鯉登少尉
ふつうこんなふうに尊敬していた人の本当の顔を知ったら、離反するかと思うじゃないですか。でも鯉登少尉は裏切りません。鶴見中尉リスペクトがさらに突き抜けただけでした。これマジの反応なんだろうか……?
誘拐事件で芝居まで仕込んで、さらに鹿児島で会った件も仕組まれたことと気づいて、そこまで必要とされていたことに喜びます。
月島軍曹も呆れるよー……。
いや、でもこれが鯉登の芝居だったとしたらすごいな。そうあってほしいと思います。大どんでん返しあるかも?
鶴見中尉に協力したその後は?
一方、杉元とアシリパさんは鯉登少尉らとは別行動で鶴見中尉の迎えを待ちます。
まだ鶴見中尉と対面したことのないアシリパさんは、どんな男なのか不安に思うと同時に、暗号を解いて金塊を見つけたその先で、アイヌはどうなるのかと考えます。
アシリパさんは杉元に、北海道に帰ったら鶴見中尉と一緒に残りの人皮を集めるのかと尋ねます。そして鶴見中尉が金塊を見つけたらどうするのか、と。
読者が常々思ってるのは梅ちゃんのことなんですけど、最近思い出しもしないし梅子のうの字も出てこない。杉元はアシリパさんの問いに、
「少なくともアシリパさんを追うものは誰もいなくなる」
野田サトル『ゴールデンカムイ』210話/集英社
と答えます。いやあ、もうアシリパさんがどうなるかしか考えてなくない?
まあ、アシリパさんにとってはこの答えは正しくはありません。アシリパさんが金塊の向こうに見ているのはアイヌ全体のこと。杉元とは見ている方向が違うのです。この二人はだんだんすれ違いつつ一緒にいるけど、どこかで破綻するんじゃないかな?
さあ、大泊に鶴見中尉が到着し、次回ご対面?
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