ゴールデンカムイ213話「樺太脱出」【本誌ネタバレ感想】気持ち新たに、船出

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ゴールデンカムイ213話を読みました。

正直一番気になるのは鯉登少尉の状態なんですが、今回は触れられず……。杉元にぶん殴られた宇佐美は元気そうでしたよ、、、

さて、アシリパさんの「逃げるあて」が何なのか、ソフィアじゃないかとかヴァシリじゃないかとかいろいろ想像していたのですが、どれでもなかったーー!思ったより単純でした。

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逃げるあてとは?

意外にも単純な答えでした。行きは鶴見中尉から逃げるように小舟で(杉元たち先遣隊は鶴見中尉とかモスの支援で)樺太に渡ったので、なんか帰りも迎えの船がなきゃ帰れないような気でいたのですが、そうだ普通に民間の連絡船とかあるんじゃないですか……

アシリパさんは、白石と宿に滞在中、宿のおばさんから連絡船が明日到着するという話を聞いていたのです。まだ鶴見中尉に協力するかどうか決めあぐねている段階でしたが、アシリパさんは選択肢のひとつとして考えていたようです。

アシリパ・杉元とは別行動で逃走していた白石は、昨日のその話を思い出します。アシリパは絶対その船に乗って逃げるはずだと。

ヴァシリやっぱり見てた

杉元は不死身とはいえやっぱり今回の傷は相当こたえたみたいで、うめくことしかできない。アシリパさんは励まし続けます。

と、そこへ現れたのが馬に乗ったヴァシリ。やっぱその辺で見てたんじゃん!

注目すべきは、アシリパさんがヴァシリのことを「頭巾ちゃん」と呼んだことでしょう。ずきんちゃん……そりゃそうか、だって名乗れないものね。

言葉は通じないけど、ヴァシリはアシリパさんたちと一緒にいれば必ず尾形に会えると確信してるんでしょうね。ま、鶴見中尉に協力することになっていたら、尾形が簡単に近づける状況ではなくなっていたでしょうし、ヴァシリにとってはアシリパさんたちが逃走してくれてラッキーだったね。

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マタギの谷垣

その後、ヴァシリとともに馬で逃げるふたりはすぐに白石・谷垣と合流します。が、ここでイマイチ立ち位置が違うのが谷垣です。彼はアシリパさんをフチの元へ帰すのが目的。鶴見中尉から逃れるということは、もうコタンには簡単には戻れないことを意味します。

谷垣はそれでもいいのか、とアシリパさんに問いますが、アシリパさんはもう今ではなく未来を見ているので、決意は揺らぎません。

アシリパさんは「フチとまた会う夢を見たことを伝えてほしい」と谷垣に託します。谷垣の目的は金塊ではないし、インカラマッは鶴見中尉の庇護下にあるわけですから、ここでアシリパさんたちについていくことはできない。谷垣の状況はアシリパさんたちもわかっているので、こうすることが最善だと判断したのでしょう。

三人に別れを告げられた谷垣は走るのをやめ、トボトボと歩きます。それを菊田に咎められ、どこへ逃げたかと尋ねられた谷垣は「街の方へ行った」と嘘の情報を伝えます。

今まで先遣隊の一員として過ごしていたために、捨てたはずの「谷垣一等卒」に戻りかけていた部分もあったんだろうなと思うのですが、アシリパたちとの別れ、そしてフチへの伝言を託されたことで、本来の自分を取り戻したのでしょうか。菊田は「走れ谷垣一等卒」とせかしますが、

「俺はマタギです」「マタギの谷垣です」

野田サトル「ゴールデンカムイ」213話/集英社

とすがすがしい顔で言うのです。

鶴見陣営はじめ、日露戦争を戦った人たちはいまだに戦争から帰ってきていないものとして描かれていますが(杉元の軍帽もその象徴)、谷垣はおそらく唯一戦争から脱した人物なのではないでしょうか。

鶴見中尉に昔話を聞かせておきながら、一度はあの悪魔みたいな鶴見中尉に絡めとられていながら脱出したのは今のところ谷垣だけじゃないでしょうかね?

本当に、もうさっさと離脱してこのまま光の中を歩いて行ってほしい。きっともう鶴見中尉に協力して行動することはないでしょうし、この作品自体もう山場を迎えているので、彼の役目はマッちゃんと再会してフチの元へ帰るくらいじゃないでしょうか。ていうかそうであってほしいという願望ですけど。

やっと通じる

無事連絡船に乗り込んだ四人。杉元はそりゃあ瀕死の状態ですが、心配するアシリパさんに「俺は俺の事情で金塊が必要だから戦う」と暗に「アシリパさんのせいじゃない」と言います。いや、もうアシリパさんに罪悪感を抱かせまいとしてそんなこと言ってしまうあたり、アシリパさんのためじゃん!!!

さて、ヴァシリはしゃべれないから身振り手振りで可愛い。指をさしながらフンフン言って、敵が杉元の血痕に気づいたことを伝えます。今船を止められたりなんかしたら困りますから、白石・アシリパさんはその兵士を撃つように頼みます。アシリパさんは致命傷にならないように足を狙えと言いますが、まあヴァシリに伝わるはずもなく。キレイに頭に命中。裸眼で確認できる距離ではないので、アシリパさんは知らぬが仏です(白石は双眼鏡で見てる)。

でもこの銃の音が結局は敵に居場所を教えることになるのです。船は出航しましたが、鶴見中尉らはすぐに小型の船で追います。

まあ出航してやっと一息。杉元は自分の考えをアシリパさんに押し付けるのではなく、アシリパさんが信じる道を信じようと決意したことを伝えます。再会して以来ずっとすれ違ったままでしたが、やっとつながりました。

アシリパさんもうれしそう。

そうはいっても問題は山積してますよ。まず追っ手が迫ってるし……。海の上では逃げられないのにどうするんだろう。

あと来週は鯉登少尉と月島軍曹をお願いします。

※追記

ふと気付いたんですが、杉元たちにヴァシリが加わったのってもう最強の布陣では?

だって暗号解読のために必要と思われる日本語・アイヌ語・ロシア語がそろったじゃん……

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