【ネタバレ考察】『ゴールデンカムイ』16巻|不穏さを増す尾形とキロランケ

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発売日から2日じらされてやっと届きましたー!

『ゴールデンカムイ』16巻。店舗購入するとカバーもらえるということは知っていたのですが、もうAmazonで予約してたので諦め……。まあいいんですよ、どうせ3種類コンプはできないし。

16巻は15巻ほど本誌掲載時から大きな加筆はなく、読んでびっくりすることもなかったです。

今回注目するところといったら曲馬団のゲンジロちゃんだよと言いたいところですが、真面目に言うなら人斬り用一郎とラストのアシリパさん一行の様子でしょう。

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加筆箇所

引用元:集英社

これといって目立った加筆はないかなーという印象ですが、気になった加筆もちらほらあります。

人斬り用一郎が海から助けられるシーン

おそらく152話の用一郎が海に入っていくシーンは2ページ丸々加筆されていると思うんですが、この箇所が意味するのは何なのだろうか……。

この後、用一郎を探しに来た土方さんに斬られて死ぬことになるのですが、この二人はいろんな点で対比されているように思えます。

まず、勤王派の用一郎幕府側の土方という構図。

人斬り用一郎って実在の人物ではないので、誰か当てはめるとしたら岡田以蔵なんだろうなと誰もが思うところですよね。

岡田以蔵といえば武市半平太に心酔して京都で人間を暗殺しまくった人物。作中で「トカゲの尻尾切り」だと「先生」に訴えているところからも、以蔵っぽさが見えてきます。『龍馬伝』でも以蔵はなかなかひどい扱いだったのが印象的で覚えていますが、まさに用一郎の扱いもそれと同じようです。

で、尊王攘夷派を取り締まる側の人間だった土方。この人はまんま土方歳三なので掘り下げるまでもないですね。

そしてもう一つの対比が、生に意味を見出しているか否か

加筆部分に象徴されているように、人斬り用一郎はもう生きていたくないわけです。幕末、さんざん人斬りとして利用されて一度絶望するも、アイヌの女性と結ばれて一度は妻のために生きようと思った。でもその奥さんも病で喪ってしまってからは生きることに意味が見いだせない。

土方と対峙した用一郎は「俺は疲れたよ」「長く生き過ぎた」とぼそっと言うのですが、その直前の土方は「俺はまだ日本のために戦うぞ」と。

152話・153話は表現がすごくて、対峙する土方と用一郎が若返ったり老いたり、というのが繰り返し起こる。用一郎は「俺は疲れたよ」のコマで老人に戻り、若い土方歳三に斬られて死ぬという表現。

人斬りとして生きた用一郎は妻が死んだあともひとり生きていて、ただ生きているのが「申し訳ない」とさえ思っているのに対して、土方は「役目があるから生き残ったのだ」と堂々と言い放つんですよ。「まだまだ走れるそうだろう?ガムシン…」と。すごい生命力ですよね、こりゃあ当分死にそうにない。ガムシンおじいちゃんもなかなかですけどね。

関係ないですけど、この次のページで突然爆走する先遣隊の大コマに変わるのがいいなあと思います。めちゃくちゃ走ってる……。

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159話・160話の尾形 すべて計画通り

尾形に限ったことではなく不穏なのはキロランケも同じですが、愉快な先遣隊とは打って変わってこっちはほんと毎回ヒヤヒヤする。いつ何が起こるか怖くて毎週本誌読む度に興奮して眠れなかったあたりですよ。

このあたりちょいちょい加筆されているんだとは思うのですが、一番ポイントかなーと思うのは160話「国境」のロシア兵に撃たれるあたりです。

いつもアプリで本誌を読んでいるので今確認する術がなく、おぼろげな記憶を頼るしかないんですが、尾形の三八を持っていたウイルタ民族のアンマー(お父さん)が頭を撃たれるシーン。三八の菊の紋章が強調されているような?

話は逸れますが、そもそもウイルタ族に接触したのは尾形が誤ってウイルタ族の飼いトナカイを撃ってしまったせいなんですが、まあこれがついうっかり打っちゃったとは思えないところですよね。キロランケは「予定通りだ」なんて言ってるし、ウイルタ民族にあげる贈り物の針なんて用意しちゃって……

追われる身である一行が国境を越えるにはどこかの遊牧民に扮するしかないから予定通り、というのもあるし、トナカイを誤って撃つ→昔ウイルクも間違えて飼いトナカイを撃ってしまった話をする、という展開も大事。

この旅は何といっても暗号の手がかりをアシリパさんの記憶から探ることが大事なので、キロランケも尾形もアシリパの一言一言にいちいち注意して聞いてるんですよ。とにかくこの一行のシーンはそういうコマばっかでほんと怖い。

尾形が誤ってトナカイを撃ったシーン。尾形は「エゾシカだ」と言うんですが、次のコマでキロランケが「樺太にエゾシカはいねえよ」という。ここのコマはトーンで顔が影になっててめちゃくちゃ怖い。意味深なんですよ。

この二人はおそらく示し合わせて、狙って飼いトナカイを撃ったんでしょうね。そもそもこのトナカイ、「ウラーチャーンガイニ」っていう首輪つけてるので、どう見たって野生じゃない。2km先でも正確に撃てる尾形がそれを見落とすわけがないじゃないですか……。尾形はなーんだ間違えちゃった頭ナデナデ…ってしてますがお前嘘だろと。絶対嘘ついてる。

キロランケは「そういえばウイルクも~」みたいな感じでちょっと思い出したよ感出しながら過去話をアシリパさんに聞かせるんですけど、もう怪しさ満点。このコマ尾形の顔半分黒塗りですよ。こわあい…

次のページでアシリパさんは初めて聞くアチャの過去話にホンワカしていて、尾形が「一緒に行くか?アシリパ…」なんて大コマでほわほわトーンをまといながら言うもんだから本誌掲載時はTwitterも騒然でしたよ。尾形が何を考えているのか全くわからん!

一行は飼いトナカイを撃ったお詫びに野生の山トナカイをウイルタ民族と一緒に狩りに行くんですが、この時尾形はアンマーの銃を一度借りて撃ったまま銃を交換したままです。

そして国境越え当日。やっと銃の菊の紋章の話にもどります。

ウイルタ民族に扮した4人はウイルタ民族の親子と一緒にソリで国境越えを目指すも、越えた途端にアンマーが撃たれます。尾形の三八を持っていたから

これも織り込み済みのよう。少なくとも尾形にとっては。

アンマーが撃たれたあと、キロランケ・アシリパ・白石3人が驚愕するコマが続きますが、尾形だけない。数コマ先で心配するアシリパの背後で冷静に銃を扱う準備をしてる様子があり、なんとまあ「トナカイを止めるなッこのまま行け」と叫んでるんですよ。

しかしウイルタ民族の息子の方がソリを止めてアンマーの方に走っちゃったので、「チッ」と舌打ちしてから交戦体制に。

期間限定でベルダンと交換してて命拾いだぜ」とか言ってますが、お前計画的犯行だな?

まあ尾形が驚愕する描写があっても逆にこっちがびっくりですが、尾形が意図的に銃を好感していた、もしくはここでロシア兵に狙われることを先に知っていたと思うのは、直前の場面にあります。

この直前、数ページだけ場面が切り替わり、鶴見中尉がアレクサンドル2世を暗殺した実行犯であるキロランケがロシアに密入国することをロシア側に流した、と話す場面があります。

ここで気になるのが、尾形ってやっぱり鶴見中尉の下で動いてる?ということ。いまだに尾形がなぜ金塊を追うのか、何を考えて行動しているのかまったくつかめないですが、離反したかに見えて中尉の指示で動いている可能性も捨てがたいなあと思う回でした。

キロランケの場合はもうパルチザンだとわかってるし、何のために動いているかわかる。インカラマッを殺す気はなかったところとか、この人は根っからの悪人ではないことはわかります。

尾形とキロランケは金塊を得るという目的は共通なので、ある面では協力してアシリパをつついてるんでしょうね。でもお互いの目的や情報をすべて共有してるわけではなさそう。

17巻は尾形祭り

生きるか死ぬかみたいなところで終わった16巻。

最後にヴァシリが顔出ししました。本誌初登場時はすごい盛り上がりだったなあ。尾形、ヴァシリ、さらに勇作さん。もうとにかくやばいの一言に尽きます。

17巻は多分かなり尾形祭りですよ。今まで数コマしか登場しなかった勇作さんも出てきて再び尾形の過去回が入ります。

15巻のいご草ちゃん以上にズーンと重い巻になること間違いなく、ぜひともDVD同梱版を買うことをおすすめします。シライシのシスター宮沢で一旦落ち着きましょう。

まとめ

真面目な部分だけ語りすぎました。

本当は先遣隊のほうが見どころですよね。ゲンジロちゃん……

特筆すべきは、ロシア政府の殺し屋が襲って来た時ゲンジロちゃんだけ「わー!」と少女団やってたことですよ。乙女化が著しい。どんどん首は太くなるし、真面目に少女団やってるし、それをもの言いたげに見つめる月島軍曹とか、へたくそなゲンジロに比べてそつなく少女団の踊りをこなす月島軍曹とか、、たまりませんでした。

今後紅子先輩はどうなるんでしょうか。それも気になる。

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