ゴールデンカムイ20巻【ネタバレ感想】落ちこぼれの“ボンボン”鯉登音之進

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引用元:集英社(https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-891437-4)
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Amazonが土曜に届くと言うからプンプンしてたら、一日早く届きました。よかった。というわけで「ゴールデンカムイ」20巻を読みました。

一応以下に、本誌を読んだときの感想(20巻収録分)をまとめておきますので、よろしければ見てやってください。197話は勢いのままに書いて、後から追記でもう一本書いたなあとしみじみなつかしい。191話って2月だったんですね。随分前なのについ最近のことのように覚えてる。

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本誌おさらい

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ついでに19巻の感想はこちら↓

新キャラ登場

キロランケが亡くなり、まずは樺太組のエピソードは一段落。19巻の加筆では、死んでいくキロランケを遠くから見つめながら、助けに行くこともできないもどかしさで水の中で慟哭するソフィアが描かれました。191話、アシリパさんたちが去ったあとでソフィアはユルバルスに別れを告げます。

ここからソフィアがどうするのかは本誌でもまだわかっていませんが、囚人の仲間が後ろから声をかける様子が加筆されています。

たぶん、いよいよ佳境に差し掛かって再登場するんじゃないかな。

さて、ところ変わって登別。新キャラ登場です。菊田特務曹長殿と有古一等卒。ブラピとモモアマン。

彼らは日露戦争で負傷したため、登別の温泉でながらく療養中でした。鶴見中尉の配下ではあるものの、刺青人皮にかかわるあれこれには参加してきていません。何歩か出遅れた形ですね。

二階堂、宇佐美も登別温泉を訪れますが、とくに宇佐美のほうが菊田・有古に情報を与えてやりたくない感じ。

菊田・有古はここに潜入していたトニの姿を見て、あれは刺青の囚人ではないか、と勘づきます。うっかり見られたトニは彼らを消さなければならなくなりましたが、急いた仲間のおかげで計画は失敗。窮地に立たされてしまいました。

登別に詳しいアイヌの有古に追い詰められたトニが雪崩に巻き込まれ……。有古は皮とトニの持ち物だけを証拠として菊田に渡します。本誌掲載時も、「死んだ」という確たる証拠は出なかったので安心した覚えがあります。

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「悪いことをするやつは自分を見られるのが怖い」

本誌の内容を隅々まで覚えているわけではないのですが、193話、アシリパさんが↑の台詞を言っているシーン、アシリパさんの背後に寝ている尾形がしっかり描かれています。

193話の感想では、私はここのところを「尾形が寝ている(気がするし)」と書いていました。自分のことを信用できないのでただしっかり見てなかっただけかもしれないけど、単行本になるにあたって「尾形だ」とはっきりわかるように修正されたのかな?

ニヴフの話からアシリパさんが導き出したのが上記の台詞ですが、やっぱり改めて読んでも尾形のことを示唆しているとしか思えませんね。

どういう意味なのかはいまだに理解できないんですが。だって尾形って「俺を見ろ」って感じじゃないですか。自分の方を向いてほしくて鴨を獲ったり、弟を殺したり。結局誰も見てくれなかったけど。見てほしくもあるし見られたくない気持ちもあるのか。よくわかりません。もう尾形のことはずっとわからん!

アシリパさんを罪の意識から解放するために

その見られるのが怖いと思しき尾形は、お医者さんに治療してもらった後逃亡します。この逃亡劇が197話です。

手術後に現れた医者は、尾形はもう明日の朝までもつかどうかだと言います。正直、先遣隊のなかでは鯉登少尉や月島軍曹は尾形が生きてようが死のうがどっちだっていいわけです。医者の言葉を受けて鯉登少尉は「死ぬのを確認する」と言ってるし。(ここ、本誌では「待つ」とかそんなんだった。)

尾形が死んで一番困るというか、死なせたくないと思ってるのは杉元ですね。アシリパさんの矢が原因で死ぬわけですから。杉元自身、網走監獄で自分が撃たれた件とかその他いろいろ聞いてから自分の手でやってしまいたい気持ちがあります。

が、もう死にそうなら話は別。アシリパさんが殺した形になるのはとても困る。だから、じゃあちょっくら息の根を止めてくるか、となるわけです。197話の「なんとか助けられないか頼んでみる」っていう台詞はウソなんですよね。病室の戸を開ける前に左手で腰のほうを探っていて、一旦尾形がいないことに驚き、その次のページでは左手に刃物(銃剣?)を握っています。もう戸を開ける前からやるつもりだったのがよくわかります。

いやー、197話。このシーンは何回見ても杉元めちゃくちゃうれしそうだなあと思います。ここしばらく見ないくらいの目のきらめきですからね。

このあと尾形は馬に乗って逃亡。杉元は、元気になって戻ってこい、俺が殺してやるからと逃げる尾形の後ろ姿を見送ります。

鯉登少尉過去編の加筆

198話からは鯉登少尉の過去編です。たぶん10ページくらい加筆されてるんじゃないですかね。20巻全体ではおそらく1話分くらい増えてる感じ。

逃げる際、鯉登少尉を足蹴にしながらロシア語で「ボンボンが」と言った尾形。そこから鯉登少年のエピソードに飛びます。

14歳の音之進くんは、周囲の人々の言動からするとどうしようもねえボンボンだったことがわかります。中佐を父にもち、やりたい放題だったんでしょうね。高そうな三輪車(ドディオンブートン)を乗り回す様子はいかにも金持ちのボンです。

と、ここまでは本誌のままなのですが、この後の加筆がすごい。

本誌だと、

三輪車に乗った音之進が人(鶴見中尉)とぶつかりそうになり、相手が驚いてすっころぶ→すぐに謝る→おわびに、西郷さんの墓に行きたいという鶴見中尉を案内する

という展開なのですが、単行本の音之進はまず謝りません。謝らないタイプのボンボンになってました。

しかも本誌と違って、単行本音之進は横から現れた人に盛大にぶつかり、相手を跳ね飛ばしておきながら「気を付けろ馬鹿やろう死にたいのか」(※台詞は薩摩言葉)と吐き捨ててそのまま走り続けるのです。

やー……ちょっと性格変わったね?

三輪車でひかれた人(この時点ではまだ顔は見えません)は音之進を追いかけ、あごと鼻をつかんで叱ります。

ニュータイプ音之進の反応はご想像のとおり、「僕のパパを誰だと思ってる!」系。帝国海軍鯉登平二中佐の息子だとのたまいます。

これに鶴見中尉がなんと返したかというと、

「ケンカをするなら自分の名前でやったらどうだ」

野田サトル『ゴールデンカムイ』20巻/集英社より

ですよ。

ひねてスレた少年に響きそうな台詞ですよね。もちろん鯉登少年にも響きました。こう言われてひどく恥じた音之進くんはその辺を歩いていたおじいちゃんから杖を奪い、相手を示現流でねじ伏せようとしますが、これも失敗。素手で受け止められただけでなく、頬をはたかれ尻もちをつき、我に返ります。

これは「親父にもぶたれたことないのに」ですね。

音之進はまさにそのとおりのタイプで、まわりに叱ってくれる大人はいませんでした。

高そうな三輪車を見て鶴見中尉は「勝手に乗り回して叱られないのか」と聞き、音之進は「叱られない」と答えます。ここからは本誌の内容に戻ります。

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諦めまじりの反抗

鯉登家には、音之進の上に兄がいました。が、鯉登平之丞少尉は若くして戦死。同じく戦場にいた父は息子が死にゆく様子を違う船の上から見ており、以来家族の前で笑顔はありません。兄がいなくなった今、跡継ぎとして兄の代わりを務めねば、と誰よりも責任を感じているのは音之進本人ですが、兄の死の様子を人に聞いて以来、船に乗るとどうしても兄のことを考えてしまい酔うように。

満足に船に乗ることもできない。つまり海軍将校になるには致命的な欠点があったのです。

こうなってしまうともう自分が立派な将校などにはなれないことは目に見えています。親の期待に応えることもできず、落ちこぼれていくしかない。

音之進のクソ生意気な態度は、そういうやるせなさからくるものもあったでしょう。

あとは「親が叱ってくれない」こと。鯉登父にしてみればきっと次男の音之進が落ちこぼれだって可愛い息子に違いないんですが、本人は言われなきゃわからない。何をしでかしても叱られることがないので、「父は自分の方を見ていない」と思うのも無理はありません。

だから、ボンボン然とした音之進の態度は、「こっちを見てほしい」という気持ちの表れだったのでしょう。単行本はそこのところがやたら強調されていて笑いましたが。

本誌だとぶつかったら謝れる少年で、兄を語る様はめちゃくちゃ悲しげで、陰のある大人しい少年って感じだったんですけどね……。まあどっちも音之進の本質なのかもしれません。

それにしても、鶴見中尉は不良をたらし込むのが趣味なんですかね?月島も手を付けられないワルだったし。ごくせんとか金八先生とかそっち方面いってもきっといい仕事すると思う。

鶴見劇場の果てに

その後、16歳になった音之進少年の誘拐劇があり、見事助けだした鶴見中尉を音之進は崇拝するようになります。

この誘拐劇は鶴見中尉が仕掛けたものだったわけですが、197話の尾形の「ボンボンが」が引き金となり、鯉登少尉はあれが鶴見中尉に仕組まれたものだったのだと悟ります。誘拐劇に登場していた白ハットのほうが尾形でした。

200話、尾形が逃げていくシーンでその姿を見る鯉登少尉のコマが追加されています。尾形に足蹴にされ、ボコボコにされながらよろよろと外に出てきた鯉登少尉。

次巻予告では、鯉登少尉のクソコラ写真(鶴見中尉とツーショット)から鯉登少尉の顔が剥がれ落ちる描写。まだ本誌でもハッキリとした鯉登少尉の意見は出てきませんが、鶴見中尉に疑問を持ち始めたな~という感じです。

鯉登少尉がどちらに転ぶかって結構重要ですよ。鶴見陣営が海軍を動かせるかどうかってとこにつながるわけですから。

私としては過去編で一番気になるのは、誘拐した音之進にあんぱんを食べさせたり(古いあんぱんだけど)、電話口で父に見捨てられた音之進の背中をさすったりしたときの尾形の気持ちですよ。自分の境遇と近いものを感じてたんですかね。「結局こいつも俺と同じか」とか思ってたのかな。その後鯉登パパが助けに現れると舌打ちして「ボンボンが(ロシア語)」です。

鯉登親子と尾形の親子は共通点が多いけど、「親子愛」があるかないかで決定的に違います。すんでのところで自分と同じところまで落ちてこなかったのがイラっとしたのかな。

もう尾形の気持ちは本当によくわからないので、「おがたのきもち」っていう雑誌出して。

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